町中パン屋
パン屋の営業を終えたくたくたな足どりで、ロンドンヒースロー空港から夜便でイスタンブールへ向かった。ゆえに全くトルコに関する旅情報の下調べをしてこなかった私の目に飛び込んできたのは「パン屋」そして「パン屋」街中どこもかしこもパン屋だらけなのである。どうやらトルコは世界一のパンの消費量を誇るパン大国だったのだ!そしてそのどのパン屋も店内に窯を持ちガンガン焼いてるスクラッチ系のガチパン屋だ。
私のホテルの前のパン屋は24時間営業。真夜中の街に煌々と光り輝くパン屋さんは、今は副社長におなりになった滝沢秀明さんがタッキー時代に演じたドラマ「真夜中のパン屋さん」を彷仏させる。このパン屋さんも街の人のいろいろなドラマを見てきたのだろうか。深夜で20種類ほどのパンが、朝から昼にかけてはランチ対応のサンドイッチ等も総出の豪華な品揃えに職人の気合を感じる。
一番人気のパンを尋ねると「シミット」と言うゴマ付きパンだという。丸くて真ん中に穴が開いている形のシミットは町のパン屋や屋台、スーパーどこにでも必ずあるトルコのエース級のパンだ。
ベイクハウスも人気
焼き菓子をメインに扱う日本でも流行のベイクハウスは、トルコでも人気。イケメンパティシエが人気なのは万国共通らしく、店内ではこの方にトルコ女子たちも華やいでいた。
朝食にはトルコのバズラマパンカフェが人気
イスタンブールの恵比寿のようなおしゃれエリアを歩いていると、長蛇の列に出くわした。すわパンケーキ屋と思いきや、パズラマカフェ。バズラマとはは平たくて丸いのトルコの伝統的な発酵パン、ボール1つでこねて発酵させて数分で焼き上がるモチモチパン。見ると店内に大きなプレートがあり、お母さん風のパン職人さんが、中にチーズを入れたりじゃがいもマッシュしたものを挟んだりしてパンを実演しながら焼き上げている。それをスタッフがテーブルに順番に配っていく。日本の串揚屋さんのようにストップと言うまでいろいろな種類のパンが出てくる人気の朝食カフェだ。懐かしいお母さんのパンを地中海風のおしゃれなインテリアのカフェで提供するスタイルが地元民にうけている。
テーブルに着席すると居酒屋の突き出しのように人数分のチーズやフルーツジャムや蜂蜜などが自動的にサーブされる。そして続々と届く焼き立てのバズラマ。
テーブルに乗るジャムやチーズ、フルーツのアイテム数を数えてみたら約30種類、そして私達は6種類のパンを食べたので、パンと副材との組み合わせは30 × 6 = 180パターン存在する訳で笑、蜂蜜にチーズにバズラマ、かぼちゃジャムにドーナツなど自分だけのお気に入りテイストを探すのが楽しい。
トルコの船上鯖バーガー屋
イスタンブールの空港から車で1時間半、観光地で有名なガラタ橋付近に浮かぶ屋台船で有名なトルコの鯖バーガーは売られている。厳密にいうと揺れる屋台船の中の大きな鉄板で何百もの鯖を焼き、船が接岸する岸にテーブルを無数に並べ、客を呼び込み鯖バーガーを販売する。さすが名物だけあって何件もの鯖バーガーレストランが軒を連ね、旅行者と地元の人でごった返す様は壮観だ。本場の鯖バーガーはというと、カットされたフランスパンに焼き鯖とオニオンのスライス、レタスを挟んだシンプルな構成。横のトルコ人家族はテーブルに置かれていたレモン汁と塩を大量にかけまくって完食していた。その気持ちわかりますとも。カサカサしたフランスパンに、これまたしっかり焼いてパサつき気味の鯖、カサカサ同士でサンドイッチとして全体的に一体感がないんだな、何か鯖とパン間をかけもつ特製ソースが欲しいところ。
いたる所に石窯を備えた本格的なパン屋さんがあり、食事には必ずバズケットに入った山盛りもパンが付いてくる。最近ロンドンでもよく見かけるベーカリーカフェチェーンsimit sarayiもそういえばトルコ発。パンと焼き菓子を愛してやまないトルコ人に親近感を覚えたことは言わずもがな、ロンドンの次はここイスタンブールで日本のパン屋を出してみてもいいかもしれない。とりあえず愛しのイスタンブール、パン屋巡りガイドなる本を献上するのも素敵かもしれないと柄になくポストコロナな時代にラブリーな夢を抱くのだった。
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